流動性の重要性を長期的経営の観点から捉える

流動性とは

 

株式投資における流動性とは、投資家が「売りたいときにいつでも売れるかどうか」であり、「換金のしやすさ」とも言えます。

 

つまり、投資家が「買いたいときにすぐ買える=買いたいときに売り手がいること」と「売りたいときにすぐ売れる=売りたいときに買い手がいること」の両方が必要となります。売り手と買い手の需給バランスが取れている時、流動性が高いと言えます。

 

逆にこの需給バランスが崩れると、流動性は低くなります。つまり、「買いたいときに買えず」「売りたいときに売れない」状況です。特に売りたいときに売れない状況は、「流動性リスク」にさらされます。流動性リスクは投資において、とても重要なリスクの一つです。

 

また、売買の数が少ないと、売りたくても買いたい人が少ないため、安い価格で買いたたかれるリスクがあります。

 

流動性の高低の判断

 

流動性の高低を判断する一つの材料は、出来高です。出来高とは、その日取引された合計株数で、売買高とも言われています。Yahoo!ファイナンスでも確認ができ、時系列タブをクリックすれば出来高の推移やトレンドを確認することができます。

 

ただし、出来高は銘柄によって異なりますし、投資家によって希望する取引の金額も異なります。何をもって「出来高が高い」と判断するかは、投資家によって異なります。

 

そのため、投資家は出来高が自分が取引したい株数を比較し、「取引したい株数に対して何倍の出来高があれば充分流動性が高いといえるか」といった自身の判断基準を持つことが大切です。

 

流動性が高いことのメリットは、投資家が「売りたいときに売れる」ということだけでなく、市場全体を見たときに、売買の需給関係の向上により、「公正な価格形成」が促進されることが挙げられます。

 

流動性とボラティリティ

 

流動性とセットで考慮したいのがボラティリティです。ボラティリティとは変動を意味し、投資の世界においては価格の変動幅を指します。

 

短期間に頻繁に売買を繰り返し、売買の価格差から利益を狙う短期投資家にとっては、ボラティリティが高い方が都合がよいと言えるでしょう。

 

会社の株主が短期投資家ばかりだと、経営者の思考も短期的な業績や株価の変動に左右されて、経営がおろそかになってしまう危険性があります。

 

従って、企業にとっては、公正な株価形成のために流動性を高く保ちつつも、ボラティリティは下げることが長期的な経営を行う際に重要になってきます。

 

企業の長期的な価値創造に関する情報の必要性

 

企業は長期に株を保有してくれる投資家の割合を増やす必要があり、また、そううしたいと考えている企業が多数です。長期投資家も、企業の長期的な将来についての情報(長期の情報)を必要としています。

 

企業の長期的な将来情報が充実し、情報の信頼性が高まれば、企業の望む長期の投資家が集まる仕組みをつくることができます。その結果、企業が自ら投資家を選択することができるようになります。

 

長期とは、企業の過去や1年先の業績といった短期間の情報ではありません。長期をどのくらいの期間として捉えるかは、企業のビジョン、ビジネスモデル、戦略等によって異なりますが、数年先、数十年先、中には数約年先のビジョンを掲げている経営者もいます。

 

企業の将来像を把握するためには、企業から発行されている統合報告書などを活用すると良いでしょう。