「本業」と「それ以外」の利益では対象となる時間軸が違う

  • 本業からの儲けはいくらか?

 

企業がどのくらい効率よく稼げているかは、「収益性」の指標を使ってみていきます。収益性の指標には、「売上総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」「売上高当期利益率」など、段階的に分かれたものがあります。

 

このうち、「売上高営業利益率」は、会社の本業における稼ぐ力をみるために最も重視すべき指標と言えます。「本業をみていく」ということは、本業以外にも企業には収益があることを意味しています。

 

それでは、本業による儲けとそれ以外の収益の違いはなんでしょうか。それは、「時間軸の長さ」の違いです。

 

  • 長期 vs 短期

 

まず、本業による儲けとは、自社の一番の強みが発揮できるビジネス領域です。これは、企業が継続してビジネスを行うための基盤となります。この基盤の強さやしなやかさが、「長期」の時間軸における企業の持続可能性を左右する大きな要因となります。

 

一方、本業以外の収入とは、例えば、会社が他社の株を買って運用したことによる「受取配当金」やその「売却益」、銀行からの「受取利息」などがあります。特に他社の株式や不動産などへの投資は、「短期」の時間軸における資金運用が目的です。これらは、一時的な財政難を補てんするための、「手当」用にすぎません。

 

また、上記の比較からもわかる通り、本業では企業がコントロールできる範囲や影響を与えられる範囲が広いのに対して、本業以外の収益は受け身の収益であることが分かります。

 

このように、対象としている時間軸が異なるにもかかわらず、最終的な利益では合算されます。利益は、企業の活動の一年間を切り取って計算されたものです。もし、本業以外の稼ぎの方が多く、利益の大半をしめている場合、「企業が長期にわたり利益を稼いでいけるか」までは把握することができません。

 

企業の本業からの収益性を確かめるということは、企業の今後の持続可能性の力を確認することでもあります。

 

  • 売上高営業利益率

 

本業からの稼ぎの指標である「売上高営業利益率」は、以下の計算式により算出することができます。

 

売上高営業利益率=売上高営業利益*/売上高

売上高営業利益=売上高-売上原価-販売費及び一般管理費

 

売上高営業利益は、高いほど本業から獲得した利益が高いことを示しています。判定の基準は、業種別のランニングなども参考にするとよいでしょう。

 

例えば、「コーヒーを主力商品に展開しているカフェ」で、以下の数値を使って具体的に営業利益率を計算してみましょう。この例では、売上高営業利益率は、8%となります。

 

売上高 500億円
売上原価 220億円 (仕入れや製造原価)
販売費及び一般管理費 240億円 (人件費や広告宣伝費など)
売上高営業利益=500-220-240=40億円
売上高営業利益率=40億円/500億円=8%

 

まずは、「本業」と「それ以外」の収益を数値の上で見分けることが大切です。そして、現時点で企業が本業から儲けを出せているかを確認します。

 

ただし、これらの数値は過去の数値であることも忘れてはいけません。

 

企業のビジネスが持続可能かどうかは、将来についての情報で判断するひつようがあります。その為、「売上高営業利益率」の過去の数値を時系列に並べて「トレンド」を把握し、そのトレンドが今度どのように推移していくのかを会社の戦略や強みと合わせてみていくことが大切です。