なぜ情報開示に結合性が必要なのか?

国際統合報告フレームワーク(以下、「フレームワーク」)には、「指導原則」の一つに「結合性」(Connectivity)があります。

組織が様々な情報を開示する中で、なぜ結合性という概念が重要なのでしょうか?以下のジグソーパズルを使って考えてみます。

上記の図は、組織の様々な情報のピースをジグソーパズルの各ピースとして捉えて作ってみたものです。

ピースのつながりの有無、結合の度合いの変化によって、伝わってくる情報の質に変化はあるでしょうか?

最初は矢印かどうかもわからなかったピースが、部分的なつながりによって徐々に形となり、最終的には>全体的に繋がって初めてどこの方角を指し示しているのかが分かるようになったのではないでしょうか。

つまり、組織の情報が全体的な「つながり」なく提供されている場合、「組織はどこを目指しているのか」を理解することは困難です。

情報の各ピースが全体としてつながり、特に重要な部分に光が当たることで、「価値創造への道筋」を明確に示すことができ、情報利用者も組織の方向性を理解することができます。

単に情報量が多いだけでは、組織の情報開示に対する評価には繋がりません。むしろ、いかに情報を絞り込み、全体的なつながりをもって開示しているかという点が、組織に対する信頼性評価の一つになってきています。