KPIの数が増えすぎると、もはや「Key」ではなくなる

▼KPIの数が増えてしまう理由&減らせない理由

 

「我が社で管理しているKPI(Key Performance Indicators)の数は、多すぎるのではないだろうか」という問題意識を持った会社はたくさんあります。しかし、なかなかその数を減らすことが難しいのも現状です。

 

その理由は、「言い訳」「固定概念」「習慣」などが関係しています。次のようなフレーズを聞いたことがる、もしくは、ご自身が心の中で口走ってしまっているといったことはないでしょうか?

 

・「これまで、多くの時間とコストをかけて作ってきたKPIが蓄積されている。もう必要ないかもしれないが、これまで時間とコストがかかっている分、今更KPIを手放すのは難しい。」

 

・「過去の蓄積で多くなってしまったKPIは、管理も複雑で煩わしい存在。本業があり、ついつい、どのKPIが必要かどうかを判断するのは後回しになってしまってしまう。」

 

・「他の企業が開示している数値は、将来自社も開示していかなければいけない数値かもしれない。念のため設定しておこう。」

 

▼では、どのくらいの数のKPIであれば効果的でしょうか?

 

KPIを管理する上で、絶対的な魔法の数があるわけではありません。しかし、さまざまなリサーチペーパーによると、5~10くらいの数が妥当だといえるでしょう。

 

例えば、「知的資産経営の開示ガイドライン」(経済産業省)では、一つの目安として「実質的、実効的管理を行うことを考えれば、その数は5~10程度」と考えられています。

 

また、”Key Performance Indicators”(By David Parmenter)においても、「ほとんどの企業において10を超えるKPIは必要なく、実際、うまくいっている会社の多くは5つ以下のKPIで運営している」とあります。

 

ちなみに、バランストスコアカードのKaplan and Nortonでは20以下を目安として推奨しています。

 

▼“Key”を絞り込む

 

企業の中には、200以上ものKPIを管理しているところもあります。「我が社は200も無いよ」という企業であっても、「5~10とは、あまりにも少ないのではないか?」と感じられるかもしれません。

 

しかし、KPI(Key Performance Indicators)であるにもかかわらず、”Key”となるものが多すぎると、何がKeyなのかはわからなくなってしまいます。Keyとなる部分に焦点を合わせるためには、いかに「Keyとなるものを厳選できるか」にかかっています。

 

“Having too many goals is the same as having no goal at all.”
多すぎるゴールは、ゴールがないことと同じである。
(Douglas K.Smith)

 

ごく一部のKPIが、全体のパフォーマンスに影響を与えていることがあります。最初から5~10のKPIへ絞り込むことが難しい場合は、まずは全体の2割の数を目標に、最も重要な指標はなにかについて検討してみてください。