企業の重要なパフォーマンス指標(KPI):パフォーマンスとは

企業は、「事業がうまくいっているか」「これからうまくいく可能性があるか」は、数値データによる裏付けを行うことが効果的です。

 

「数値データによる裏付け」といっても、なんでもかんでも定量化すればよい、というわけではありません。企業の価値創造活動において、最も重要な部分に絞って定量化を行うことが極めて重要です。

 

企業にとっての重要なパフォーマンス指標は、KPI(「ケーピーアイ」、Key Performance Indicatorsの略)と呼ばれています。

 

実は、KPIという言葉は、使う人によって大分異なるイメージがある経営用語の一つです。今回は、このKPIを分解して、KPIの「P」であるパフォーマンスについて見ていくことにしましょう。

 

パフォーマンス(P)とは?

 

あなたは、「パフォーマンス(P)」と聞いたとき、どのような場面が頭に浮かびますか?

 

例えば、政治家が国民の注目を集めることを目的に行うような「パフォーマンス(P)」、アーチスト、歌手、ダンサーなどの「パフォーマンス(P)」、そしてビジネスにおいては「業績」と訳されることの多い「パフォーマンス(P)」などが挙げられるでしょう。

 

パフォーマンス(P)という言葉には、複数の意味が含まれています。パフォーマンス(P)を辞書で調べると、以下のように定義されています。

 

1.性能、能力、動作、腕前、仕事ぶり
2.業績、実績、功績、成績、売り上げ、出来高《金融》、運用実績[成果]
3.任務・仕事などの〕実行、遂行、履行
4.パフォーマンス、演技、演奏、上演、公演、コンサート
5.〔宣伝などの特定の〕行動

 

面白いことにパフォーマンス(P)という言葉には、因果関係である行動と結果という二つの意味が含まれています。

 

To Do Listだけになっていませんか?

 

さて、企業のKPIに目を向けてみると、行動に重点を置いたKPIが多くみられます。例えば、「CO2排出量を202X年までに30%削減」「教育研修の実施率」「特許取得件数」などが挙げられます。上記のように「削減」「実施」「取得」といった行動の表現を含む数値を、「行動 KPI」と呼ぶことにします。

 

これら行動 KPIのリストは、あなたが日々の業務で管理している「To Do List」に似ていませんか?

 

「To Do List」は、ビジネスの目的を達成する為のプロセス上、非常に重要なものであることは間違いありません。しかし、KPIを設定する上では、To Do List以上に重要なリストがあります。それはどんなリストでしょうか?

 

To Be Listを作成する

 

パフォーマンス(P)という言葉は、行動と結果という因果関係が含まれています。その観点からも、「To Do List」(=計画した行動が実行に移されたかどうかを確認するためのリスト)だけでなく、「To Be List」(=理想の結果が実現されたかどうかを確認するためのリスト)を作成することは重要です。

 

To Be Listを作成するためには、まず、企業が実現したい理想の世界を描き、それを明確な言葉で表現する必要があります。目的を明確にするためには、ビジョンやミッションの中に、曖昧な言葉が含まれていないか確認する必要があります。

 

曖昧な言葉とは、社内だけで通用する言葉や形式的な表現の言葉です。これらの言葉を、誰が聞いても同じイメージが浮かぶ言葉に置きかえることで、ビジョンやミッションが明確になります。

 

To Be List(=結果KPI)を作成したら、To Do List(=行動KPI)とつなげる(=マッピング)ことが大切です。 マッピングの結果、「結果KPI」と紐づかない「行動KPI」がある場合は、行動KPIを削除することも検討する必要があります。結果KPIに紐づかない行動KPIは、企業の貴重な時間とリソースを無駄に費やしている可能性があります。

 

また、プロジェクトマネージャー(行動KPIの管理)とパフォーマンスマネー ジャー(結果KPIの管理)の役割を明確にし、連携するようにしてください。

 

以上のように、企業にとっての重要なパフォーマンス指標であるKPIのパフォーマンス(P)とは、「行動」と「結果」という因果関係が含まれています。パフォーマンス(P)という曖昧な言葉の正体を明らかにし、適切なKPIの設定につなげていきましょう。