組織の中でビジネスをスムーズに行う上でのマナーの一つが、「報告」「連絡」「相談」を略した「ホウレンソウ」です。
中でも報告に関しては、日々の業務において、さまざまな報告書やその中に含まれる数多くの異なる種類のグラフを目にする機会がおおいのではないでしょうか。
組織内だけでなく、企業は対外的にも「報告」をする機会が多くあり、それらの報告書中にも多くのデータをグラフ化した情報が含まれています。
特に、企業が情報を外部へ発信する際には、企業のパフォーマンスについてのデータをグラフによって可視化し、効果的に伝達することが大切です。
しかし、グラフを効果的に活用しているケースは少ないのが現状です。
グラフは、目的に応じて使い分けることが重要です。今回は、企業のパフォーマンスに関する情報についてのベストなグラフの種類は何かについて見ていくことにしましょう。
企業のパフォーマンスに関連する情報は時系列で見せる必要がある
企業の主要なパフォーマンスは売上や利益といった財務情報の他にも顧客満足度や従業員満足度など、金額に換算できない数値データであるKPI(Key Performance Indicators)などがあります。
これらのパフォーマンスデータをグラフ化する際には、縦棒グラフや円グラフではなく、折れ線グラフが効果的です。
縦棒グラフは、論理的に関連している要素間の比較に適しています。例えば部署Aと部署Bの人数の比較、セグメントAにおける売上高とセグメントBにおける売上高の比較など、ある一時点の物事の比較、つまり時間軸を輪切りにしたときの比較に向いています。
円グラフは、全体を構成する要素が、それぞれどのくらいの割合を占めるかを表すのに効果的です。これも、一時点のデータについて可視化する際に役立ちます。
企業のパフォーマンスは、時系列で捉えることが必要となります。そのため、一時点の情報を把握することのできる縦棒グラフや円グラフはパフォーマンス情報を表現するためには向いていません。時系列の「流れ」が伴うパフォーマンス情報は、折れ線グラフで表現することが効果的です。
折れ線グラフのその先にあるXmRチャート
企業のパフォーマンスデータをグラフ化する際には、折れ線グラフが最適ですが、折れ線グラフの進化バージョンともいえるXmRチャートはさらに効果的です。XmRチャートには、以下3つの特徴があります。
・時系列の変化を把握することができる。
・平均線があることにより、シグナルが存在するかどうかを把握することができる。
・統計的手法によって計算された自然変動上限値の設定により、数値の変動が通常の変動幅の範囲であるかどうかを把握することができる。
重要なことは時系列のデータのなかでの「真」の変化であるシグナルを見極めること
企業のパフォーマンスデータをXmRチャートにグラフ化することで、1)パフォーマンスの「見える化」、2)「見える化」による新たな気づきの発見や意識の変革、3)とるべき次の行動の検討など、「ありたい姿」へむけたパフォーマンス向上へのプロセス改善に役立てることができます。
XmRチャートの特徴の一つは、通常の事業活動のなかで想定される変動幅が設定されている点です。変動幅の上限値や下限値を超えたパフォーマンスについては、通常のプロセスの中で何か異常が発生していることを知ることができます。
また、通常の変動幅内におけるパフォーマンスの推移の傾向をみれば、「ありたい姿(=ターゲット値)」へ向かってパフォーマンスが改善されているのか、悪化しているのかを把握することもできます。
通常、数値データの中には重要で見過ごしてはならない「シグナル」と、特別な意味を持たない「ノイズ(=雑音)」が混在しています。重要なパフォーマンスの変化であるシグナルを見極めるために、XmRチャートを選択し、適切な分析に活用しましょう。